あなたの会社にはどんな種類の個人情報が保管されていますか?
例えば、従業員の個人情報や取引先の情報がまず挙げられます。
一般消費者向けの事業を展開している会社であれば、個人のお客さまに関する情報が管理されているかもしれません。
そんな中で、意外と忘れがちな個人情報としては、採用選考に関する個人情報が挙げられます。
例えば求職者の履歴書や職務経歴書など、ほとんどの会社で、新規採用を行う際には、取得および利用を行っていると思います。個人情報として、応募者の方から履歴書や職務経歴書を預かる際には、もちろん同意書の記入を頂く必要があります。
では、その方がもしも「不採用」になってしまった場合、会社にある履歴書や職務経歴書はどう扱えばよいのでしょうか?
不採用の場合、履歴書はどうするの?
プライバシーマークの仕組みの中には、履歴書や職務経歴書の処分について、明確に『●●●という処理を行うべき』といった記載はありません。したがって、不採用時の処分については、各会社で処分に際するルールを定める必要があります。
ルールを決めるためにも、応募者から預かる個人情報の一覧をまず把握する必要があります。履歴書や職務経歴書はもちろん、エントリーシートやアンケート等を記入してもらっている場合は、それらも個人情報に類することになります。
また、紙媒体なのか、電子データなのか、またその両方の可能性があるのか、など、取り扱う可能性のある個人情報の形式も網羅しておきましょう。
応募者の履歴書を破棄する場合
電子データにせよ紙媒体にせよ、不採用時に会社側でそれら個人情報を破棄する場合には、本人に対して事前に破棄/処理の方法などを伝えておくことが望ましいでしょう。もちろん、伝えるだけでなく、社内にて確実に処理を行うことが重要です。
また、万が一にも再び当該の履歴書が必要となった場合に備えて、不採用時に直ちに廃棄するのではなく、多くの会社が廃棄までに一定の期間を設けています。大企業であれば一年ほど保管しているケースもありますし、中小企業の場合はもう少し保管期間が短くなります。
応募者に履歴書を返却する場合
次に、本人へ返却する場合ですが、破棄する場合と同じくらい、もしくはそれ以上に注意が必要です。と言うのも、返却を行う個人情報は必然的に紙媒体になりますが、次のような郵送時のトラブルが考えられるからです。
- 郵便途中における紛失
- 宛先間違いによる誤送付
「郵便途中における紛失」の対策としては、書留を利用して、配達記録が残る手段を選ぶことが肝要ですが、同時に所定の経費がかかるというのが頭を悩ませるところです。
郵送の方法については、例えば年間の応募者数などを考慮して、普通郵便を利用するか書留を利用するかルール化しておくことが求められます。
社内での一貫したルール作りが重要
会社が負うリスクは可能な限り低減したいという考えであれば、社内で処分するのがベターかもしれません。
しかし、応募者から返却を希望されるケースも考えられますし、社内から返却を推す意見が出てくる可能性もあります。それぞれの要素を検討して、統一した一つのルールを採用する、応募者の希望に合わせられるよう複数のルールを設けるなど、会社の方針に則した、一貫性のあるルール作りが求められます。