印刷会社とは
電車内の広告や自宅ポストに入っているチラシ、雑誌など、日頃私たちは色々なところで印刷物を目にしています。
これらの印刷物は、自社で印刷物の原案を作成して印刷するということももちろんあるかと思います。
しかし、紙の材質や印刷物の色合いにこだわったり、大量に印刷したいけど自分たちではちょっと大変…という場合もあるでしょう。そんなときに便利なのが「印刷会社」です。
「印刷会社」とは、お客様からの印刷依頼を受け付け、印刷物を納品する会社のことを指します。あらゆる印刷物の企画や制作、編集を行って、お客様が満足する原案を作成し、それらを印刷して納品しています。
電車内広告などはもちろん、書籍や雑誌、会社パンフレット、名刺、ポスターなど、様々な印刷依頼を受けて業務を行っています。会社からの印刷依頼だけではなく学校や自治体など、規模や組織体問わず、印刷業務を行っています。
印刷会社が保有する個人情報
一口に印刷物の依頼を受けるとは言いつつ、印刷物は様々なものがありますし、印刷会社にて保有する個人情報は、多岐に渡ります。例えば、名刺印刷業務を主として依頼を受けている印刷会社の場合は、名刺に記載する氏名や住所、電話番号などをお客様から取得する必要があります。
また、印刷物の中に個人の氏名や住所等の個人情報が記載される場合は、それらも個人情報として取り扱う必要が出てきますし、ゲラ刷り(試し刷り)やヤレ紙(印刷ミス)に個人情報が含まれる場合も保有する個人情報として管理の対象になります。
印刷だけではなく、個人宅への発送依頼などがあれば、発送先情報も多く取り扱うことになるでしょう。
紙に出力した宛先や、委託元から電子データで宛先が送られてくることもありますよね。
印刷会社が他の会社と違う部分としては、お客様は1社2社というわけではなく、何十社・何百社にのぼる場合もあるでしょうし、その場合には何千・何万単位での個人情報を保有する可能性もあります。
特に気を付けるべき個人情報漏えい・流出リスク
印刷会社において取り扱う個人情報を取り巻くリスクですが、電子データの印刷物原案を扱うこともありますが、やはり紙の印刷物を多く取り扱いますので、紙媒体のリスクが最も発生しやすい傾向にあります。
具体的なリスクとしては、以下のようなものが挙げられます。
- 印刷物が混在してしまうことで、納期の遅れが発生したり、印刷物を間違えて納品してしまう
- 印刷物を施錠可能な場所など、適切な場所に保管していないことによる紛失・盗難
- 来客者や出入り業者が、印刷物を不正に持ち出す
- 郵送にて委託元に納品する際に配達事故が発生する
- ダイレクトメールなどを個人宅へ郵送する際の郵送ミス
- 印刷物原案に関する電子データへのアクセス制限を実施していない
- ダイレクトメールなど、個人宅へ郵送する際、委託元より宛名データをもらう際の授受トラブル
これらのリスクを発生させないために、必要な対策を実施することが重要です。
PMS構築や審査においてチェックしたいポイント
印刷会社でPマークを取得・運用する際は、「大量の印刷物を適切な方法で管理しているか」がポイントとなります。印刷物や印刷物原案が外部に漏えい・流出しないように必要な対策を実施しましょう。
対策としては、以下のようなものが挙げられます。
- 混在しないよう、印刷物には納品日を記載し、納期の遅れが発生しないようにする
- 印刷物を間違えて納品しないよう、印刷物には納品先名を記載して保管しておく
- 印刷物の紛失・盗難防止のため、納品するまでは施錠ができる部屋やキャビネットなどに保管
- 出入り業者が立ち入れるエリアを制限納品する際には、配達事故防止のため、配達記録が残る形式で
郵送する - 個人宅への郵送ミスを防止するため、間違っていないか郵送前に十分委託元に確認する
- 適切なアクセス制限を実施する
- 宛名データの授受トラブルが発生しないよう、授受に関するルールを委託元との間で十分取り決めておく
Pマーク上では、印刷業などの受託業務で個人情報を取得する場合は、その利用目的をウェブサイトにて公開することが要求されます。「印刷業務により取得する個人情報は、印刷受託業務遂行のために使用します」など、利用目的を公開することが重要です。