多くの企業がクラウドストレージを提供していますが、中には法人向けプランを用意しているものがあります。個人用プランと比較すると、高いコストがかかる一方で、充実した機能を持ち多くのユーザーに対応しているのが特徴です。この記事では法人向けストレージを使うメリットと選び方、そして代表的な法人向けクラウドストレージについて解説します。
容量無制限!世界20万社以上が利用!
法人向けクラウドストレージを使うメリット
インターネット上にはさまざまな企業がクラウドストレージを提供しています。クラウドストレージのメリットは、インターネットにさえ接続されていれば、どこにいてもスムーズにファイルを共有できるため、業務が大幅に効率化できることです。
クラウドストレージには、保存容量や機能、ユーザー数などによって、複数のプランが提供されていることがあります。企業内やチームでの利用を目的とした、法人向けのサービスは業務での利用に特化したものですが、コストが比較的高めに設定されています。
クラウドストレージを導入するにあたり、あえて法人向けサービスを使う必要はあるのでしょうか。まずは法人向けのクラウドストレージサービスを使うメリットから見ていきましょう。
強固なサイバー攻撃対策
法人向けクラウドストレージを使うメリットの1つが、強固なサイバー攻撃対策が施せることです。
クラウドストレージに対するアクセスやファイルのアップロードには、ユーザー認証が必要です。このユーザー認証を2段階認証化することで、より厳密な本人確認が可能となり、不正アクセスのリスクを低減できます。またクラウドサーバーへのアクセスをログとして記録しておけば、不正アクセスの兆候もつかむことができ、対策がとれます。不正アクセスを防御できれば、クラウドストレージへのマルウェアのアップロードも防御できるでしょう。
さらにクラウドストレージにアクセスできるデバイスを制限すれば、従業員によるシャドーITを禁止できます。たとえ従業員であっても、許可されていないデバイスからのクラウドストレージへのアクセスは禁止すべきです。これにより、クラウドストレージ上のファイルを許可されていないデバイスへコピーされるリスクも低減できます。
詳細なアクセス制限
企業内にはさまざまな部門やチームが存在しています。それらの部門別・チーム別の詳細なアクセス制限機能が使用できることも、法人向けクラウドストレージを使用するメリットです。アクセスログ監視機能やパスワード設定機能などの、セキュリティ対策が充実しているサービスもあります。
BCP対策を意識したバックアップ
BCP対策を意識したバックアップ機能が使えるメリットも忘れてはなりません。
BCPとはBusiness Continuity Planの略語であり日本語では「事業継続計画」と訳されます。これは自然災害などの災害発生時でも、事業を継続するための計画のことです。
BCP対策を意識して、法人向けクラウドストレージ上にデータをバックアップしておけば、たとえ災害発生時でも迅速にデータの復旧が可能となります。
法人向けクラウドストレージの選び方
法人向けクラウドストレージを選ぶポイントについて、一つずつ見ていきましょう。
機能の充実度
法人向けクラウドストレージの多くには基本的なセキュリティ機能が備わっています。これから紹介するのは、サービスによって異なる機能をピックアップしたものです。これらの機能を押さえておき、サービスを選択する際の参考としてください。
- 各種認証
- 通常のIDとパスワードによる認証に加えて、2段階認証機能が利用できるか確認しましょう。利便性を考えると、一度の認証で複数のシステムを利用できるシングルサインオンが利用できると良いでしょう。
- アクセスコントロール
- ファイルやフォルダに対するアクセスコントロール機能も重要です。ユーザーごとや部門ごと、あるいはファイルやフォルダごとなど、詳細なアクセスコントロールが設定できるか確認しておきましょう。
- ログ管理
- ファイルへのアクセスや編集に対して、誰が・いつ・どこからアクセスしたのかを記録するログ管理機能があると、不正行為の抑止力となります。万が一のファイル流出時にも、原因究明に役立てられます。
- バージョン管理
- ファイルの編集履歴を記録しておき、任意の時点のファイルに復元できる機能がバージョン管理です。誤ってファイルを変更してしまった場合などに、重宝する機能です。
- ディザスタリカバリー
- ディザスタリカバリーとは日本語では「災害復旧」を意味する言葉です。大規模な災害時にも、物理的に離れたデータセンター間でデータを保存していれば、クラウドストレージからデータが失われるリスクは大幅に低減します。
- カントリーリスク対策
- 法人向けクラウドストレージに海外資本が含まれているばあい、その国の政府の意向により情報の開示が求められるリスクがあります。これにより不本意にも重要情報が漏洩してしまうことがありえます。このようなカントリーリスク対策として、純国産のサービスを選択する方法があります。
- マルウェア対策
- マルウェア対策とは、アップロードしたファイルがマルウェアに感染していないか、自動でチェックする機能です。
自社のセキュリティポリシーへの合致度合
導入を検討しているクラウドストレージのセキュリティポリシーが、自社が求めるセキュリティポリシーを満たしていることは必須です。もしサービスのセキュリティポリシーの方が低ければ、そのクラウドストレージは使用できません。
複数のプラットフォームやデバイスへの対応
業務ではパソコンだけでなく、スマートフォンやタブレットが使用されていることがあります。さらにそれぞれのデバイスのOSが異なることもあるでしょう。
クラウドストレージを検討する際には、自社で使用される可能性のあるプラットフォームやデバイスが対応しているかどうかの確認が必要です。
サービス料金
クラウドストレージは長く使い続けるものだからこそ、できるだけサービス料金が安いものを契約したいところです。サービス料金の指標として、保存領域の1GBあたりの料金があり、当然ですが料金が安いほどお得になります。
また利用ユーザー数で課金するタイプと、データ容量で課金するタイプがあり、サービスによっては、それらの組み合わせで料金が決まるところもあります。
法人向けクラウドストレージにはさまざまなサービスがあります。契約する前に無料トライアル期間が設けられているサービスを選べば、コストをかけずに使い勝手の検証ができるでしょう。
トラブルに対するサポート
クラウドストレージを使用中に何かトラブルが発生した際、トラブルシューティングのためのサポートに迅速に入ってもらえるかどうかで、プロジェクトの生死が決めると言っても過言ではないでしょう。
クラウドストレージを契約する前に、サポート体制が充実しているかどうか、電話やメール、チャットなど、どのような方法でサポートを利用できるかの確認は必須です。できるだけサポート体制の厚いサービス・プランを選択しておくと安心でしょう。
また海外企業が提供しているクラウドストレージでは、日本語でのサポートが受けられるかどうかも確認しておきましょう。
主な法人向けクラウドストレージサービス
主な法人向けクラウドストレージサービスを5つご紹介します。それぞれの特徴を理解して、自社にあったサービスを選択しましょう。
Box
Boxは法人向けのクラウドストレージとしては世界最大のシェアを持ちます。最大のメリットは利用可能なストレージ容量が無制限であることです。最大ユーザー数にも上限がないため、大規模なチームでも利用者数を気にせず導入できます。データの暗号化や2要素認証、DLPなどのセキュリティ機能も充実しています。インターフェースも日本語に対応しているので、英語が苦手な方も安心です。
「Box」は、情報セキュリティサービス専門企業である弊社LRMでお取り扱いしておりますので、日本語での手厚いサポートが可能です。まずは2週間の無料トライアルでお気軽に使用感をお試しください。
Dropbox Business
Dropbox Businessとは、クラウドストレージサービスの老舗であるDropboxのビジネスプランです。Professional・Standard・Advancedの3つのプランから選択可能です。256ビットのAES暗号化や2段階認証、デバイスの遠隔操作が可能であることなど、セキュリティ機能も充実しています。最大で180日間の履歴保存機能も設けられています。
OneDrive for Business
OneDrive for Businessとは、マイクロソフト社が提供している法人向けクラウドストレージです。Officeアプリが含まれていないプランが3つ、Officeアプリが含まれている1つのプランから選択できます。最も安価なプランでも1TBの保存領域を利用できるので、大容量のファイルを扱う業務でも十分利用できます。また全てのプランでデータの暗号化に対応しています。
Google Drive Enterprise
Google Drive Enterprise とは、Google社が提供しているGoogle Driveの法人向けプランです。Googleアカウントがあれば、GoogleドキュメントやGoogleスプレッドシートなどのOffice機能が追加料金なしで利用可能です。ファイルの検索機能にも優れており、ファイル名に加えてファイルの内容を含めた高度な検索に対応しています。保存されている1つ1つのファイルに共有リンクを発行すれば、ファイル単位での共有も容易にできます。
セキュアSAMBA
セキュアSAMBAは中小企業を中心に多く導入されているクラウドストレージです。純国産のサービスであるため、トラブル発生時において日本語での手厚いサポートが受けられるのが大きなメリットです。グローバルIPアドレスによる制限や端末認証、きめ細やかなアクセス権限の設定機能など、セキュリティ機能も充実しています。
まとめ
法人向けのクラウドストレージの選定方法と主なサービスについて紹介しました。法人向けと言っても、サービスによって機能や料金などは大きく異なります。まずは自社の予算を考慮して、セキュリティポリシーに合っているサービスを候補とすると良いでしょう。また多くのクラウドストレージでは、無料体験期間が設けられているため、有料プランに契約する前に、実際に試してみて使い勝手を確認しておくことをおすすめします。
弊社でご提供しているクラウドストレージサービス「Box」は、2週間の無料トライアルをご用意しております。まずはお気軽に使用感をお試しください。
その他にもサービスサイトで機能やプランのご紹介をしておりますので、一度ご覧ください。