30時間の教材準備工数を削減!セキュリティにおける従業員の「変化」を実感しています。

- マルヤス工業株式会社
- 執行役員、経営企画室長 山本様
経営企画室 デジタル化推進グループ 上原様
マルヤス工業株式会社は、環境にやさしい車社会を目指し、1956年創業時より部品メーカーとして国内外で事業を展開しています。
今回は、同社で執行役員を務める山本様、デジタル化推進グループの上原様に、「セキュリオ」導入経緯や効果、セキュリティ施策の展望についてお話を伺いました。
- 会社名
- マルヤス工業株式会社
- 業界
- 製造・メーカー
- 活用しているサービス
- eラーニング
- セキュリティアウェアネス
- 標的型攻撃メール訓練
- 社内アンケート
- 導入背景
- 顧客からセキュリティに関する問い合わせを受ける機会が増え、社内セキュリティ体制の見直しが急務だった
- 教育コンテンツ制作のために、最大30時間を要していた
- 受講後の採点や、合格基準に満たない受講者へのフォローアップが大変だった
- 運用方法
- 年間計画に沿って、eラーニングを実施(年4回予定)
- 合格基準に満たない受講者に、自動的にメールで再受講を通知
- 活用Tips
- 導入前に比べて、受講率が徐々に高くなっている
- セキュリティリスクに対し従業員の意識が高まりが見られている
セキュリティリスクの高まりに備え、セキュリオを導入
マルヤス工業様の事業について教えてください。
マルヤス工業は1956年に創業し、60年以上にわたり自動車部品の開発・製造に取り組んでいます。トヨタ自動車株式会社をはじめ、国内全ての自動車メーカーに当社製品を提供しています。
近年は自動車分野以外の製品づくりにも注力しています。熱交換器をキーデバイスとした製品や、血液からガン細胞を検出する装置、ミニ水耕栽培装置の制御システムなど、様々なものづくりにチャレンジしています。
デジタル化推進グループは、どのような業務・役割を担っているのでしょうか?
マルヤス工業のデジタル化推進グループは、当社のデジタル変革を推進することを目的として4年前に設置されました。 DX戦略の策定に加え、業務プロセスの改善やデータ活用、セキュリティ対策の企画立案・運用などの実務も担っています。
セキュリオ導入前の、マルヤス工業様のセキュリティ施策の取り組みについて伺えますか?
かねてより情報セキュリティ基本方針を定め、それに沿った形で情報セキュリティの維持・向上に取り組んできました。より本格的にセキュリティ強化に着手したのは、サイバー攻撃等のリスクが社会的に注目されるようになった5年ほど前からです。顧客からセキュリティに関する質問も寄せられ、説明責任を強く感じるようになっていました。
DX推進の過程で他社のセキュリティ製品も試しましたが、セキュリティリテラシー向上のためには従業員の意識づけが必要だと思うようになりました。当時は、研修やセミナーを不定期に実施する程度。目標としていた水準との間にギャップがあり、教育の頻度を増やすべきだと考えました。
とはいえ、教育コンテンツを準備するのは容易ではありません。IPA(独立行政法人 情報処理推進機構)が無料提供している教材をもとに制作しましたが、ひとつのコンテンツをつくるのに最大30時間ほどかかってしまいました。
そこでeラーニングのアウトソースを検討されたんですね。セキュリオ導入の決め手は何でしたか?
次のような点が導入の決め手でした。
- 教育コンテンツが豊富にあること
- セキュリオが使いやすいデザインであること
- 受講状況をモニタリングできること
- 予算内で導入可能な価格であること
セキュリオは毎月新しい教育コンテンツが追加されるため、将来にわたりeラーニングを続けていけると感じました。また、管理者にも受講者にも使いやすいデザインになっているのも安心できる点でした。
知識の習得は、セキュリティ意識の醸成につながる
現在、セキュリオをどのように活用されていますか?
eラーニング機能を利用しています。年間計画に沿って、年4回実施する予定です。
セキュリオ導入後、eラーニングの受講率は実施ごとに伸びています。受講状況や結果が“数字”で見える化されただけでなく、受講者の反応も寄せられるようになりました。
受講者の反応について、具体的なエピソードがあれば教えてください。
当社では、eラーニングにおいて最低合格点を定めているのですが、どうしても、合格するまで複数回受講しなければならない従業員もいます。ただ、セキュリオの場合、受講が終わると合格したかしていないかがすぐに分かりますので、不合格の場合、ただちに再受講してもらえています。彼らが晴れて合格すると、自分のことのように嬉しくなりますね。
また、従業員から、「今回のテストで間違えた箇所を解説してほしい」といった要望も届くようになりました。従業員の行動の変化、セキュリティ意識の高まりを実感しています。
受講率が順調に伸びている要因を、どのように分析されていますか?
セキュリティ教育にまじめに取り組んできた効能だと感じますね。知識を習得することで、当事者意識を持ってセキュリティリスクを捉えることができるようになるのだと思います。
セキュリティ対策は、当社のものづくりにおける品質保証の取り組みと似ています。不良品を流してしまうと、顧客にも取引先にも迷惑がかかります。もちろん会社にとっても大きな損失です。「自分が迷惑をかけるわけにはいかない」といった意識が、セキュリティ対策においても芽生えてきたのではないでしょうか。
セキュリオの機能やカスタマーサポートについて、改善点や要望はありますか?
現場で忙しく働いている従業員の負担にならないよう、短い時間で受講できる教育コンテンツが増えると嬉しいですね。私たちも、なるべく受講しやすい仕組みや雰囲気をつくれるよう努めていきたいと思います。
従業員同士の切磋琢磨で、全社のセキュリティリテラシーを高めていく
セキュリティ施策について、今後注力していきたいことはありますか?
セキュリオを通じて、メールやWebツール使用に伴うリスクに関する理解は進みました。今後は、パソコンやUSBなど物理的な情報機器におけるセキュリティリスクの啓蒙も進めていきたいと考えています。
業務上、私たちは情報機器の使用を避けることはできません。「これぐらいなら大丈夫だろう」という意識を変えてもらい、安全・安心な業務環境の整備を支援していきたいです。
将来的には、セキュリティ教育を自社のみでなく、サプライチェーン全体に広げていきたいと考えています。取引を通じて機密情報等を扱うこともあるので、お互いに危機管理し合えるような状態をつくりたいですね。
当社は、「和」という社是を掲げています。ひとつのチームのもとで互いに協力し、高め合うという思いが込められており、当社の強みの根源だと認識しています。
同様に、セキュリティも個人で完結するのでなく、組織で高めるものではないでしょうか。「これはセキュリティ的にリスクがあるのではないか」と、従業員同士でやりとりできる状況をつくれたら良いなと思います。
そのためにも、セキュリティ教育を通じて、マルヤス工業のセキュリティリテラシーを高めていくことが重要です。今後も、セキュリオの活用を推進していきたいと思います。
マルヤス工業様、お忙しい中ありがとうございました。
取材日:2025年3月
マルヤス工業株式会社について
- 所在地:愛知県岡崎市
- 設立:1956年8月
- 従業員数:単体:1,533人 / グループ:4,444人(2024年6月時点)
- Webサイト:https://www.maruyasu.co.jp/
1956年8月、マルヤス機械株式会社から自動車部品部門の製造および販売部門が分離する形で創業。60年以上にわたって自動車部品の開発・製造に取り組んでいる。現在は日本国内に7社13拠点、海外に5社8拠点(アメリカ、タイ、フランス、中国)で事業を展開している。