株式会社エヌアンドエスファシリティ様&株式会社エヌアンドエス不動産様(2社同時取得) – 顧客事例 –
株式会社エヌアンドエスファシリティと株式会社エヌアンドエス不動産は、LRMのサポートを受け、プライバシーマーク(以下、Pマーク)の2社同時新規取得に取り組みました。全員参加で臨んだ理由とその成果、そしてLRMのコンサルティングに対する評価などについて、PM事業部 シニアマネージャー 柏原信彦氏、総務部 チーフ 増田由紀氏にお話しをうかがいました。
もくじ
(株式会社エヌアンドエスファシリティと株式会社エヌアンドエス不動産について)
株式会社エヌアンドエスファシリティを中心とする企業グル―プ。オフィスビルやマンションのオーナーから委託を受け、入居者管理や賃料の請求などを行うプロパティマネジメント(PM)業務、設備管理や清掃管理を行う不動産メンテナンス業務で強みを発揮。総合管理業務のクオリティー、レポーティング、小回りの利いたサービスで、オーナーと長期的な信頼関係を築きながら持続的な成長を遂げている。不動産の売買や仲介、戸建住宅の分譲などを行う株式会社エヌアンドエス不動産、そして有限会社エヌ アンド エス パートナーズの3社で、総合不動産事業を展開している。
創業;1999年。本社;大阪。従業員数;19名(グループ全体、2014年6月現在)。
LRMにPマーク2社同時取得コンサルティングを依頼
— LRMに依頼した業務内容を教えてください。
今回、弊社(エヌアンドエスファシリティとエヌアンドエス不動産)がLRMに依頼したのはPマークの2社同時取得コンサルティングです。2014年3月にエヌアンドエスファシリティ、6月にエヌアンドエス不動産の取得が完了しました。業務に支障を来すことなく、短期間で取得することが出来て安心しました。
業務品質向上のためPマークを取得
— Pマークを取得した背景を教えて下さい。
エヌアンドエスファシリティの取引先には、ISOを取得するなど品質意識の高い企業があります。そのような企業が所有する不動産管理の委託先として相応しい企業であるためには、第三者機関の評価によって得られる何らかの認定が必要であると考えたことがPマーク取得のきっかけとなりました。
— 色々な認証や制度がある中で、Pマークを選んだ理由をお話し下さい。
個人情報の取扱い方が、業務品質に直結するからです。エヌアンドエスファシリティのプロパティマネジメント業務における入居者情報、エヌアンドエス不動産の不動産販売業務における購入者情報など、我々の業務では様々な個人情報を扱います。これら個人情報を適切に扱うことが、弊社の業務品質であるという認識から、JIS規格に基づくPマークを取得することにしました。
— Pマーク取得に向けて、掲げていた目標はありますか。
Pマーク取得にあたって弊社が掲げた目標は、(1)1年以内に2社の申請を完了させる、(2)個人情報保護意識を全社員に浸透させる、の2つです。
特に重要だったのが(2)個人情報保護意識を全社員に浸透させる、です。そのため取得まで月2回のペースで行ったLRMコンサルタント・金山さんとの打ち合わせには社員全員が可能な限り参加し、皆で考え、意見を出し合いながらマネジメントシステムを構築しました。
— 「個人情報保護意識を全社員に浸透させる」ことが重要な理由をお聞かせください。
弊社はグループ全体で正社員9名という少人数の組織です。何か問題があったときに、ある特定の個人がいないと前に進まないという状態では、会社の運営がうまくいきません。どんな小さなことでも社員全員で共有しておくことが重要です。個人情報保護についても例外ではありません。
弊社は、もともとある企業からの分社化で設立した会社です。現在在籍する社員の約半数は、分社化以前から勤続しています。以前所属していた会社では、Pマークを取得・運用していたため、当時から在籍しているメンバーは個人情報保護の重要性を把握しています。しかし最近入社したメンバーはその経験がないため、意識が浸透していません。今回、Pマーク取得を機に、個人情報保護に関する意識浸透を図ることで、業務レベルの向上にも繋げたいと考えました。
LRMのセミナーに参加。「Pマーク取得は思っているほど難しくなさそう」と気持ちが楽に
— Pマーク取得を決めて、まず取り組んだことは何ですか。
コンサルティング会社探しです。以前、所属していた会社でPマークの新規取得をした際、大変な苦労をした経験から、自主取得は無理だと考えていました。
当時もコンサルタントの関与はありました。しかし打ち合わせや資料作成に膨大な日数を割く必要があり、業務に支障を来しました。取得までの期間も非常に長かった記憶があります。その経験があったため、自主取得はそれ以上に困難だろうと考えました。特に(2)個人情報保護意識を全社員に浸透させる、という目標を達成するにはコンサルタントの力が不可欠だと思っていました。
— コンサルティングをLRMに依頼した理由を教えてください。
コンサルティング会社選定を進める中で受講したセミナーの内容が良かったからです。セミナーの内容は、Pマークとは何か、Pマーク取得の進め方、Pマーク運用のポイントなどでした。セミナー当日は、会場に2名のコンサルタントがいましたが、いずれも話がわかりやすく、人柄に好感が持てました。どちらが担当者でも、Pマークの予備知識がない人にも理解できるよう説明していただけるのだろうとイメージすることができました。そのうちの1名が、今回担当していただいた金山さんです。
— セミナーの際に印象に残ったことはありましたか。
意外に感じたことがありました。それは、Pマーク取得は実は私たちが考えていたほど難しくはないんだということです。前職時代の経験から、Pマーク取得は手間と時間がかかるものだと思い込んでいたので、少し気持ちが楽になりました。
— 他社との比較はされましたか。
5社のコンサルティング会社を比較しました。LRMのセミナーはわかりやすく好印象でしたが、他を知らなかったため、セミナーを受けた後、LRMを含めた5社と個別にお会いして話しを聞きました。
— どのような点を比較されましたか。
コンサルティング費用とサービスの内容です。話しを聞いた限りではいずれも大きな差は感じませんでしたが、LRM以外の4社には決め手となる要素が見つかりませんでした。セミナーの体験から、コンサルティングの様子が具体的にイメージ出来たLRMに決めました。
LRMのサポートで業務に支障を来すことなく取得が完了
— Pマークの2社同時取得はスムーズに進行しましたか。
はい。スケジュール通りに進行しました。LRMに正式に依頼してコンサルティングがスタートしたのが2013年9月中旬です。金山さんに、2社ともに2014年春頃に申請が出せるようスケジュールを組んでもらってスタートしました。エヌアンドエスファシリティが1月、エヌアンドエス不動産は4月に申請することができまました。スケジュールは以下の通りです。
<エヌアンドエスファシリティ>
2013年9月中旬~11月 個人情報の洗い出し・リスク分析・マネジメントシステムの構築
2013年12月 社員教育・内部監査員教育・内部監査
2014年1月上旬 申請
2014年2月上旬 審査
2014年3月 取得
<エヌアンドエス不動産>
2014年3月 個人情報の洗い出し・リスク分析
社員教育・内部監査員教育・内部監査
2014年3月下旬 申請
2014年4月下旬 審査
2014年6月 取得
今回の取り組みは2社同時取得ですが、2社共通のマネジメントシステムを適用するためにまずはエヌアンドエスファシリティの取得を通してマネジメントシステムを固め、その後にエヌアンドエス不動産の取得準備に取り掛かりました。不動産のPマーク取得準備は、マネジメントシステムがすでにできていたことに加えて、教育や内部監査などはファシリティで実施して手順を把握していたため、短期間で行うことが出来ました。
— Pマーク取得までの過程で大変だったことがあれば教えて下さい。
個人情報の洗い出しから文書作成までの工程は苦労しました。特に難しかったのが(1)個人情報保護台帳の作成、(2)リスク分析です。個人情報の概念が把握しづらいことに加えて、Pマークの規格は解釈でどうとでも受け取れるものが多く私たちの業務にどう当てはめて良いか判断に苦しみました。
(1)個人情報保護台帳の作成
エヌアンドエスファシリティで扱う個人情報の中で最も量が多いのは、プロパティマネジメント業務における入居者から預かる身分証明書ですが、住民票、印鑑証明、在籍証明、学生証、保険証、運転免許証など人によって提出されるものが様々であり、非常に細分化されています。それを種類別にまとめて、個人情報の名前や利用目的、保管方法などを一覧にまとめる作業が一苦労でした。
また、エヌアンドエス不動産の場合、売買契約書や固定資産税評価証明書などが個人情報にあたりますが、中には法務局に行けば誰でも見れるものもあります。そういったものがなぜ個人情報なのかということを理解するのにも一苦労ありました。
(2)リスク分析
洗い出した個人情報一つ一つに対するリスク分析は、打ち合わせの合間合間に取り組む課題として社員全員で行いました。しかし、例えば、入居者の個人情報を預かって社に戻るなどの日常的な行動にどのようなリスクが伴うのかを判断することは、なかなか難しい作業でした。
そこで、独自のマニュアルを作成して配布し、それを参考に各自で考えたり、意見交換したりしながらまとめてもらったものを個人情報保護管理者のもとに集約し、それを金山さんに渡してまとめてもらうという方法で行いました。
しかし、このような苦労もありましたが、LRMの金山さんのサポートもあり、前職時代に比べると非常に楽に取得できました。今回は、業務に支障を来すことなく、無事に取得に至りました。
社員全員で取り組んだことが意識向上のきっかけに
— 個人情報保護意識を全社員に浸透させるという目的は達成できましたか。
はい。社員の意識は大きく変化したと感じています。例えば、設備管理の委託業者に対する管理物件の鍵の貸し出しや入退室などの記録を忘れたり後回しにすることがなくなり、確実に遂行するようになりました。各自真剣に考えたり、話し合ったりしたことが社員の意識を変えるきっかけになったと考えています。
— 今回、Pマークを取得するために構築したマネジメントシステムによって、業務フローが変わるなどの変化はありましたか。
いいえ。社員の業務フローに大きな変化はありません。強いて言えば、クリアデスクの徹底ぐらいです。従来は机の上に書類が山積みになっていることもよくあったので、机の上には何もない状態を維持するよう心掛けようという規定を設け、実行しています。
その他は、書類を保管するキャビネットに施錠する、社内サーバー(NAS)に物理的に鍵をかけてセキュリティを強化するなど、個人情報保護マネジメントシステムを構築するにあたって、よりセキュアにした部分はありますが、特に業務フローが変わったり、設備投資したりしたことはありません。運用にあたっても負担が少ないマネジメントシステムが構築できたと考えています。
LRMのコンサルティングでスムーズに取得できた
— LRMのコンサルティングはいかがでしたか。
セミナーを受けて期待した通りのコンサルティングでした。特に相談のしやすさが良かったです。
マネジメントシステムを構築していく中で、どうして良いかわからないことが沢山ありましたが、そういう時は金山さんが、事例を出すなどしながら一緒に考えてくれしました。コンサルタントといっても色々なタイプがあるでしょう。中には威圧的な態度の方もいますが、金山さんはそうではありません。分からないことがあれば、納得するまで丁寧に教えていただけたので、難しい中でも比較的スムーズに作業を進めることが出来たと感じています。
また、最初に立てたスケジュールをきちんとこなしてもらえたので、スピード感を持って取り組むことが出来ました。メールの対応なども早いので、急ぎの用事がある時は大変助かりました。
今後のビジョンとLRMへの期待
— Pマークの取得を終えたばかりですが、今後のビジョンなどがございましたら話ください。
Pマークが無事に取得出来たこと、社員の個人情報保護意識も高まっていることから、お客様には安心してお取引いただける環境が整いました。今後は2年に一度の更新審査に向けてきちんと運用していきたいと考えています。
その上で、2年ごとの更新準備が簡単にはいかないのではないかという心配もあります。スムーズに更新するために外部のサポートが必要になった際には、またLRMに依頼したいと考えています。
株式会社エヌアンドエスファシリティ様、株式会社エヌアンドエス不動産様、
お忙しい中有り難うございました。※右端は弊社金山