Pマークを取得している・取得していないに関わらず、個人情報を取り扱っていると、個人情報の取り扱い方法や提供/開示に関する問い合わせがやってくるかと思います。
今回は、いくつかの問い合わせの対応事例について解説をしてみたいと思います。
警察から情報提供の問い合わせが!?
ある日突然、警察から「おたくでお持ちの〇〇さんという方の情報について提供をお願いしたい」と問い合わせが来たとします。その場合、どのように対応すべきでしょうか??
無条件に提供しますか?それとも拒否しますか?実は、どちらも正解とは言えません。
まず、今回の個人情報の提供の要求をPマークのルール上に当てはめてみましょう。JIS規格でいう3.4.2.8のただし書き)が適用されます。
内容としては「法令に基づく場合」です。
警察は法令に基づいて情報の提供を求めているわけですから、社内としてはPマーク上のただし書きのルールに基づいて対処する必要があります。
ただ、それだけでは良い対応とは言い難いです。
情報を提供する側として、どういった理由でどこの誰が照会を求めているのか照会書のようなものの提示を要求することまでは行ってもらった方が良いかと思います。
最近は警察側でも先にそういった書面を用意してくれるケースもあると聞くので、わざわざ求めなくても大丈夫なケースもありますが、電話でいきなり警察を名乗る誰かが個人情報の提供を求めてきても、本当に警察かの確認をおこない、照会書の確認をもってはじめて情報を提供しましょう。
弁護士から個人情報開示の請求が!?
次は、弁護士からいきなり「〇〇さんの△△に関する個人情報を開示してもらいたい」という連絡があった場合の事例です。
弁護士からの請求というと、その個人情報の本人さんの代理人として何かの裁判に使うための情報を収集しているというような場合が考えられるのですが、いきなり弁護士からそういった連絡がくると非常にビックリします。
ですが、何ら怖がる心配はありません。
単なる個人情報の開示の請求なのであれば、社内で作っている個人情報の開示の手順に従って対応すればOKです。
弁護士だからと言って特別な対応は必要ありません。
普通の弁護士であれば、本人さんの委任を受けて請求をしているので、しっかりと誰の情報を開示するのか、ちゃんと委任を受けているのか、弁護士の身元はしっかりしているのか、などを定めた手順に従って確認してから開示を行えば、特段問題はありません。
税務署の税務監査時に個人情報の提供要求が!?
3つ目は税務署の税務監査の最中に従業員の給与関連の個人情報の閲覧・提供を求められた場合です。
税務監査の最中に言われることが多いため、個人情報保護の観点ではどうすればいい?となるケースもあります。
「うちの会社はPマークを取得していて、本人である従業員から税務署への提供について同意をもらっていないから提供は出来ません」と返事していいものでは?と思う方もいるかもしれませんが、、、おそらく無理だと思います。
1つ目の警察同様、税務署も法令に基づいて業務を行っているため、Pマーク上の対応としてはただし書き適用を行い社内での記録をしっかりと残すことが必要になります。
問い合わせはいつ来るかわかりませんが、いざ来たとなると迅速な対応が求められるケースが多いです。
しっかりとケースを把握して、対応ができるよう準備されることをお勧めします。