こんにちは。
温かくなったり寒くなったりの日々が続いていますが、体調管理には十分気を付けましょう。
さて、今回はプライバシーマークを取得・更新する上で、ほぼどの事業者にも当てはまるであろう内容について触れたいと思います。
ややこしい言葉の違い
例えば、「掃除」と「清掃」、「林」と「森」など、なんとなく意味は似ているようで違う言葉、結構ありますよね。プライバシーマーク上でも、このような似ているようで違う言葉というのは、色々と出てきます。
そんな中、特に質問を受けることが多のが「提供」と「委託」です。
そこで今回は、この2つの言葉の違いについて、簡単な例を用いてお伝えしていきたいと思います。
似ているようで異なる言葉、「提供」と「委託」
プライバシーマークを取得するためには、JISQ15001:2006という規格を遵守する必要があります。
JISQ15001:2006は、1~3.9までの要求事項で成り立っています。
その中の3.4.2.8という項番には「提供」に関する事項が、3.4.3.4という項番には「委託」に関する事項が記載されています。
この2つの言葉は、似ているようで異なるものです。
まずは、「提供」の具体例を見ていきましょう。
提供
会社を経営するためには従業員を雇います。
万が一その従業員が何か犯罪を疑われるような行為をしてしまった時、間違いなく警察からの調査が会社に入るでしょう。
そして、警察は会社に対して捜査協力のために、従業員の情報が欲しいと言うと思います。
その時に、その従業員の履歴書や職歴書といった情報を警察へ渡して捜査協力すること。これが「提供」となります。
情報を誰かに渡し、「使ってください」とするのが「提供」です。
他にも、従業員が入社した時、社会保険の加入手続きでハローワークに情報を渡すことも「提供」に該当します。
情報を誰かにあげることと言っても良いかもしれません。
委託
それでは続いて、「委託」についてです。
「業務委託契約」という言葉、聞いたことがあるのではないでしょうか。
これは、要は「特定の業務を誰かに代わりにやってもらうこと」を意味します。
では、普段業務を行う中で発生し得る「委託」とは何でしょうか。
従業者を雇った時は、条件はあるにせよ、正社員であれば社会保険加入が義務付けられています。それが会社としての義務でもあります。
さて、その社会保険加入手続きを行うとき、2パターンの加入手続きの方法があります。
一つは会社で社会保険加入手続きを済ませてしまうパターン、もう一つは社会保険労務士に加入手続きをお願いするパターンがあります。
このうち、後者のパターンが「委託」となります。
このように、特定の業務を誰かに代わりにやってもらうことが「委託」となります。
ではまとめです。「提供」は、誰かに情報を渡すこと、「委託」は、特定の業務を誰かに代わりにやってもらうこと。これが「提供」と「委託」の違いです。
日本語はややこしくて難しいですね。
それでは。