組織が保有する価値基準、及び組織の基本的な人事です。内部統制そのものともいえます。
組織の風土を決定し、組織内全ての者の統制に対する意識に影響を与えるとともに、「リスクの評価と対応」「統制活動」「情報と伝達」「モニタリング」「ITへの対応」の基本的要素の基盤です。
統制環境として7つの事項が挙げられます。
1. 誠実性・倫理性
組織が有する誠実性及び倫理観は、組織内全ての社会道徳上の大きな影響を与え、組織の気風を決定する重要な要因です。
2. 経営者の意向・姿勢
経営者の意向姿勢は、組織の基本方針、気風に重要な影響を及ぼします。
例えば、経営者が組織の内外に方針や原則を明確化し、その実現に向けて適切な体制などを整備していくことは、財務報告の信頼性を達成するための重要な基盤となります。
3. 経営方針
経営方針や経営戦略は内部統制に大きな影響を与え、組織内の資源配分を決定する要因となります。
4. 取締役会及び監査役又は監査委員会の有する機能
取締役会や監査役は業務責任者から独立していることが求められています。
経営者が適切な内部統制を構築し、継続的に改善していることをモニタリングする必要があります。
5. 組織構造と慣行
組織構造は事業活動を管理する上で必要な情報の流れを提供できます。
組織の慣行に組織存続や発展の障害となる要因があると判断した場合、経営者は適切な経営理念や経営方針などの示すことにより当該慣行を変えていくことが重要であります。
6. 権限と職責
権限とは組織の活動を遂行するため付与された権利です。職責とは遂行すべき活動を遂行する責任ないし義務です。
7. 人的資源に対する方針と管理
人的資源とは、組織の経営資源の一つであり、人に関するものを指します。人的資源に対する方針とは、経営上の方針の一部として設定され、雇用・昇進・給与・研修などの人事に関する方針です。
組織の目的を達成していくには、方針を適切に定め、人的資源の能力を高度に引き出すことが重要です。