(警視庁公式HP)
概要
2010年10月に警視庁の国際テロ対策資料がインターネット上に流出し、約1か月で1万台以上のパソコンに流出データをダウンロードされていました。本件でプライバシーを侵害されたなどとして、イスラム教徒17人が東京都などに1億8,700万円の賠償を求めていました。
最高裁第3小法廷は5月31日付で原告側の上告を棄却する決定を出し、警視庁の情報管理の違法性を認めて都に計9,020万円の支払いを命じました。
しかし、情報収集自体が「信教の自由」の侵害に当たるとは認めませんでした。
1,2審判決によると、警視庁は2008年7月の北海道洞爺湖サミットのテロ防止のため、都内のモスクへのイスラム教徒の出入りなどの情報を収集し、それらの情報は以後、警視庁公安部外事3課が管理していました。これを受けて、1,2審では「データは警察職員により外部記録媒体で持ち出された。警視庁は漏えい対策の義務を怠った」との認定が下されていました。
タイムライン
2010年10月
原告らの情報が流出
2013年
流出元を偽計業務妨害で捜査していたが、公訴時効を迎える
2016年5月31日(火)
警視庁による計9,020万円の賠償支払いが確定
原因
弊社の見解
現場職員に対する情報流出に関する教育が不徹底であったり、情報を外部に持ち出せないよう、デバイス制御を行うなどの組織としての情報漏えい対策が不十分だったと考えられます。
被害
原告ら、国内在住のイスラム教徒の個人情報、氏名や旅券番号などを含む114点のデータの流出。
対応
東京都による計9,020万円の賠償支払い。
関連情報
産経ニュース「警視庁国際テロ資料流出、9千万円賠償が確定」(2016/06/01)(魚拓)
@niftyニュース「警視庁情報流出:都の9000万円賠償確定」(2016/06/01)(魚拓)