国土960万平方メートルを有する中国はご存知の通り非常に広い国です。様々な観光地に赴こうと思うと、移動ツールが不可欠となります。
コストパフォーマンスの面からみると、中国での主な交通手段は鉄道となりますが、皆さんは中国の鉄道チケットを見たことありますでしょうか?
実は、中国のチケットには国民身分証明書番号(同マイナンバー)と乗客の名前が記載されます。
そこで今回は、中国鉄道チケットに関わる個人情報保護の沿革とともに、ちょっとした中国の鉄道に関する豆知識などもご紹介したいと思います。お相手はLRMの湯です。
中国の列車チケットの変遷
1.実名制が始まり、チケットに氏名と身分証明書番号が記載されるようになる
2011年6月1日、ダフ屋行為撲滅を求める声が高まる中、高速鉄道のチケット購入に、実名制が導入されました。
そして、2012年1月1日より、全ての旅客列車のチケット購入にも実名制が導入されました。チケットには、購入者の氏名と身分証明書の番号が記載されるようになりました。
2.個人情報流出を防ぐ対策実施
2011年6月、身分証明書番号が全てチケットに記載されているため、紛失した場合、誰かに悪用される恐れがあるとの指摘が出てきました。
そのため、鉄道部門が同年6月中旬、身分証明書番号のうち4ケタを「*」に変更しました。(乗客の生年月日に当たる部分)
3.ローマ字表記に統一
2012年、メディアが、駅名のローマ字表記が、中国語のピンインであったり、英語に訳されていたりと、統一されておらず、混乱と誤解を招くと指摘しました。
同年9月1日から、鉄道部(省)が、駅名のローマ字表記を、中国語のピンインによる表記で統一しました。「東・西・南・北」も英語への音訳をおこなったりはせず、中国語のピンインに統一されました。
4.偽名の使用が不可に
2014年1月12日、北京青年報の記事により、「実際の身分証明書番号であれば、偽名を使ってもチケットが購入できる」という指摘がありました。
翌日13日、鉄道部門が印刷情報を修正し、偽名が使えなくなる仕組みを再整備しました。
このように、日に日にチケットや駅の表記など、中国の鉄道はあらゆる点で変化を続けているのです。