近年、中国とロシアのハッキング被害が増加していると言われています。そこで今回は、中国・ロシアのサイバー攻撃についてお話します。お相手はLRMの湯です。
第2回世界インターネット大会
2015年12月16~18日、中国が自らイニシアティブを取るかたちで浙江省の烏鎮(うちん)で「第2回世界インターネット大会」を開催しました。
そこで、中国国家主席習近平氏は下記事項を強調しました。
「第13次5カ年計画を実施する間、中国はインターネット強国戦略、国家ビッグデータ戦略、“インターネット+”の行動計画を大々的に実施し、積極的で前向きなネット文化を浸透させ、ネット経済の空間を開拓し、インターネットと経済社会の融合的な発展を促進するつもりである」
今回の大会では、前回の約1,200人を大きく上回る、120の国家・地域、20以上の国際組織から約2000人の業界関係者(政府官僚、企業家、研究者、技術者、民間団体など)が参加しました。
ロシア、米国の大手企業も殺到し、中国現地大手の百度、アリババ、テンセント、新浪、JD京東、シャオミー、捜狐、レノボなどの責任者と意見を交わしました。
鳥鎮(うちん)イニシアティブ
同会議の最後の日、18日に《鳥鎮イニシアティブ》が最大成果物として発表されました。中国の「インターネット発展空間」と「サイバー安全保障」に対する情熱が見られます。
また、同会議の中で、習近平は「グローバルインターネットガバナンス体系の変革」を堅持すべきだと強く主張しました。
その演説の第二条「平和と安全を守ること」では、
「商業機密に対する窃盗や政府のウェブサイトへのハッキングはすべて関連する法律と国際公約に基づき、断固として打撃を与えられなければならない。サイバーセキュリティにダブルスタンダードがあってはならない。1つの国家が安全で他の国家が不安全、あるいは一部分の国家が安全でもう一部分の国家が不安全という状況が起こってはならない。また、他国の安全を犠牲にする形で自国の絶対的安全を追求するようなことがあってはもっとならない」
という内容が含まれていました。
中国・ロシアのサイバー攻撃被害が増加中
大会の「世界サイバーセキュリティ調査」によりますと、中国が受けたサイバー攻撃は517%増えたそうです。その次はロシアの150%増。実際に両国の企業に与えた平均損失は、中国企業260万ドル、ロシア530万ドルでした。
サイバー攻撃を防ぐため、2015年中、露企業がネットセキュリティ強化に振り当てた出費は大幅に上昇し、35%増と16%増となりました。
同調査によりますと、民営企業より中国国営企業の方がハッキング防止とサイバーセキュリティに対する安全意識はまだまだ弱いようです。
中国全体の経済環境は現在、インターネットの発展に非常に適しており、各分野の至る所にサイバー安全に関連するビジネスチャンスがあります。
医療、金融、教育、ホテルなど、考えつく限りの業界が、情報安全に改めて目を向けているおかげで、海外情報安全業者からの企業情報資産の保護指導はこれからの主流トレンドになると筆者は確信しています。