概要
大阪市の家電量販大手エディオンは、元課長(54)=不正競争防止法違反罪で有罪確定=が営業秘密を転職先の上新(ジョーシン)電機(同市)に漏らした事件に絡み、同社に対して営業秘密の使用差し止めや50億円の損害賠償などを求める訴えを大阪地裁に起こしました。
損害賠償に加え、不正使用によって作成されたソフトや社内資料の廃棄も求めています。
タイムライン
2013年10月
被告がエディオンに就業している時期に、同企業の営業秘密情報を私用パソコンにコピー。
2014年1月
被告が上新電機に転職、そして遠隔操作にてエディオン社内パソコンからさらなる営業秘密情報を抜き取り、一部を上新電機に譲渡。
2015年11月13日(金)
被告に対して営業秘密情報を入手したとして、不正競争防止法違反の罪が問われる。同時に懲戒解雇と罰金100万円の判決が大阪地裁から下される。
2016年4月25日(月)
エディオンは上新電機に対して、営業秘密の使用差止めや50億円の損害賠償などを求める訴えを大阪地裁に起こす。
エディオンはホームページ上で上新電機側に対し、公判記録などを基に「元課長が漏らした営業秘密を利用して住宅リフォーム事業を起こし、現在まで不正使用を続けている」と主張。
原因
弊社の見解
従業員が社内に私用パソコンを持ち込む際のルールが策定されてなかった、もしくはそのルールが現場で機能するよう教育がなされていなかったと考えられます。
更には、営業秘密情報へのアクセス履歴管理と、データを外部記憶媒体にコピーすることを想定したルールがなされていなかったと推測します。
被害
エディオン側の営業秘密情報漏えいとそれに伴う機会損失。
対応
エディオン側は情報漏えい事件に関する提訴を大阪地裁におこなっていますが、情報漏えい対策に関する策などの公表はおこなっていません。
上新電機側はHP上でもこの事件に関して言及していません。
関連情報
産経WEST「エディオンが上新電機に50億円の損賠求め提訴 <情報漏洩(ろうえい)で損害>」(2016/04/25)(魚拓)
朝日新聞「上新電機元部長に有罪判決 営業秘密不正取得 大阪地裁」(2015/11/13)(魚拓)
エディオン「上新電機株式会社による営業秘密の不正使用に対する民事提訴」(2016/04/25)(魚拓)