クラウドストレージはインターネット上にデータを保存して、いつでも好きなときに閲覧・編集できるサービスです。クラウドストレージは多くの企業によって提供されていますが、それぞれの機能や特徴が異なります。この記事では、代表的なクラウドストレージを7つ取り上げて、6つのポイントについて比較しました。自社にクラウドストレージを導入する際のご参考としていただけると幸いです。
クラウドストレージを比較する際のポイント
インターネット上には、さまざまな企業がクラウドストレージを提供していますが、それぞれに特徴があります。比較する際のポイントは、以下の通りです。
保存容量と料金
クラウドストレージの性能で、最も重要といえるのが保存容量と料金でしょう。特に保存容量は、現在必要なサイズだけでなく、今後必要となるサイズまで考慮しておくと良いでしょう。同じクラウドストレージでも、無料版と有料版では保存容量が異なります。パソコンに保存してある全てのファイルをクラウドストレージに保存したい場合は、有料で大容量のものを選びましょう。
ちなみにファイルサイズの目安は以下の通りです。
- 保存容量の目安
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- スマートフォンの画像:1ファイルあたり5MB
- スマートフォンの動画:1分あたり28MB
- 音楽:1曲あたり1MB
また1度にアップロードできるファイル容量の上限も重要です。特に画像や動画ファイルのような大容量なファイルをたくさん保存したい場合にはチェックしておきましょう。
ファイル共有・共有作業可否
クラウドストレージに共有フォルダ機能が備わっていれば、複数人で同じファイルを共有したり、共有作業したりできます。オンラインミーティングのときなどに、同一のファイルを参照しながら、複数人で同時に編集したりできれば、作業もグッと効率化できるでしょう。
検索のスムーズさ
大容量のクラウドストレージになると、どこにどのファイルがあるのか探すための検索機能のスムーズさも重要です。例えば、特定のことが書かれているファイルを探したいが、ファイル名が分からない場合などには、ファイルの全文検索機能があれば、目的のファイルを探し出すことは容易でしょう。
また日本語のORC機能に対応していれば、画像ファイルとして保存されている日本語のテキストに対する検索も可能となります。
ファイル復元(バージョン管理)
クラウドストレージ内のファイルを誤って削除してしまった。あるいは、間違えて編集してしまった場合、ファイルの復元機能やバージョン管理機能があれば、削除したファイルの復元や、編集前の状態に戻すことも可能です。
特にバージョン管理機能が備わっているクラウドストレージでは、それぞれのファイルの編集履歴を自動的に残して、以前のバージョンに復元する機能が利用できます。ファイルを誤って変更してしまった場合でも、簡単に元に戻せるでしょう。
トラブル時のサポート
クラウドストレージは24時間365日動作していることが欠かせません。万が一のトラブル発生時のためのサポート体制が充実していれば、利用者からすると安心でしょう。
サポートには、メールサポートと電話サポートの2種類があります。クラウドストレージの種類や契約しているプランによって受けられるサポートが異なりますので、契約前によく確認しておきましょう。
セキュリティ対応
クラウドストレージはインターネット上のサービスですので、セキュリティ対応についても気になるところです。万が一、クラウドストレージに保存されているファイルが漏洩したり、サイバー攻撃によって侵害されたりしたら、企業にとって社会的損害に発展する恐れがあるからです。
クラウドストレージに求められる具体的なセキュリティ機能は、例えばファイルが暗号化されていることや、二段階認証などの機能です。特にセキュリティポリシーの厳しい会社でクラウドストレージを導入する際には、まずセキュリティ対応から検討する必要があります。
クラウドストレージ7種類を比較
代表的な7つのクラウドストレージについて、上記で紹介したポイントをふまえて比較します。
Box
保存容量と料金 | Business 上限なし 1,800円(1ユーザー) Business Plus 上限なし 3,00円(1ユーザー) Enterprise 上限なし 4,200円(1ユーザー) Enterprise Plus 上限なし カスタムプラン |
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ファイル共有 ・共有作業可否 |
可能 |
検索のスムーズさ | 全文検索対応 ORC(日本語非対応) |
ファイル復元 (バージョン管理) |
ファイル復元(30日) バージョン管理対応 |
トラブル時のサポート | 販売代理店による |
セキュリティ対応 | 2段階認証対応 データ暗号化対応 |
BoxはアメリカのBox社が提供しているクラウドストレージです。7段階のアクセス権限設定機能やアクセスログの記録など、セキュリティ確保のための豊富な機能を持ちます。Enterprise以上のプランであれば、保存容量が無制限になる点も魅力的です。
Dropbox
保存容量と料金 | ■個人用 Basic 2GB 無料(1ユーザー) Plus 2TB 1,200円(1ユーザー) Family 2TB 2,000円(最大6ユーザー) ■ビジネス用 Professional 3TB 2,400円(1ユーザー) Standard 5TB(3ユーザー以上) Advanced 無制限(3ユーザー以上) |
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ファイル共有 ・共有作業可否 |
可能(※アカウントを持たない共有相手とはファイルの閲覧のみ) |
検索のスムーズさ | 全文検索対応 ORC(日本語非対応) |
ファイル復元 (バージョン管理) |
ファイル復元(個人用30日・ビジネス用180日) バージョン管理対応 |
トラブル時のサポート | メールサポート(24時間365日) 電話サポート(※営業時間内 ビジネス用 Standard・Advancedのみ) |
セキュリティ対応 | 2段階認証対応 データ暗号化対応 |
Dropboxは2007年に創業したクラウドストレージの老舗ともいえるサービスです。ファイルの共有に特化したサービスですので、ほかのクラウドストレージと比べると、シンプルに使えるのが特徴です。通信も安定しており信頼性も高いので、ビジネスで使うクラウドストレージとしてうってつけでしょう。
OneDrive
保存容量と料金 | 5GB 無料 100GB 224円 1TB 1,284円(Microsoft 365 Personal付) |
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ファイル共有 ・共有作業可否 |
可能 |
検索のスムーズさ | 全文検索対応 ORC(日本語対応) |
ファイル復元 (バージョン管理) |
ファイル復元(93日) バージョン管理対応 |
トラブル時のサポート | メールサポート(24時間365日) 電話サポート(24時間365日) |
セキュリティ対応 | 2段階認証対応 データ暗号化対応 |
OneDriveはマイクロソフト社が提供しているクラウドストレージです。Windows8.1とWindows10にではデフォルトでインストールされています。最新のOfficeをいつでも使える「Microsoft 365」の利用者であれば、1TBのOneDriveが追加料金なしで利用できます。デスクトップを複数のPCで同期する機能があり、有効にすると、違うPCなのに同じPCを使っているような操作性が得られます。
Googleドライブ
保存容量と料金 | 15GB 無料 100GB 250円 200GB 380円 2TB 1,300円 5TB 3,250円 |
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ファイル共有 ・共有作業可否 |
可能(※リンク共有時のパスワード指定不可) |
検索のスムーズさ | 全文検索対応 ORC(日本語対応) |
ファイル復元 (バージョン管理) |
ファイル復元(ごみ箱内30日) バージョン管理対応 |
トラブル時のサポート | メールサポート(24時間365日) 電話サポート(24時間365日) |
セキュリティ対応 | 2段階認証対応 データ暗号化対応 |
Googleアカウントを作成すると同時に使用できるのがGoogleドライブです。ファイルの共有に加えて、Googleドキュメントやスプレッドシートなどの機能も使用できるようになります。有料プランのサービス名はGoogle Oneという名前であり、使用できる保存容量が大幅に増加します。
Amazon Drive
保存容量と料金 | ■通常のAmazon会員 5GB 無料 ■Amazonプライム会員 写真:無制限 その他:100GBから30TBまで 100GB 2,490円 1TB 13,800円 以下、1TB増量につきプラス13,800円ずつ増加 |
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ファイル共有 ・共有作業可否 |
可能 |
検索のスムーズさ | 全文検索非対応 ORC非対応 |
ファイル復元 (バージョン管理) |
非対応 |
トラブル時のサポート | チャットサポート(24時間365日) 電話サポート(24時間365日) |
セキュリティ対応 | 2段階認証対応 データ暗号化非対応 |
Amazon Driveとは、大手ECサイトのAmazonが提供しているクラウドストレージです。画像ファイルについては容量無制限で保存できるのが最大のメリットです。しかしバージョン管理機能やデータの暗号化には非対応であり、料金も比較的高めなので、無料で使える画像ファイルの保存場所として使用されている方が多いようです。
iCloud Drive
保存容量と料金 | 50GB 130円 200GB 400円 2TB 1,300円 |
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ファイル共有 ・共有作業可否 |
可能 |
検索のスムーズさ | 全文検索非対応 ORC非対応 |
ファイル復元 (バージョン管理) |
ファイル復元(30日) |
トラブル時のサポート | メールサポート(24時間365日) 電話サポート(24時間365日) |
セキュリティ対応 | 2段階認証対応 データ暗号化対応 |
iCloud DriveはAppleが提供しているクラウドストレージです。Windowsでも使用できますが、基本的にiPhoneやiPad、Mac OSなどApple製品での使用を基本としています。iPadやiPhoneのシステム全体をバックアップできる唯一のクラウドストレージであり、保存したいデータをアプリごとに設定させることが可能です。
セキュアSAMBA
保存容量と料金 | フリープラン 5GB 無料(3ユーザー) ライトプラン 100GB 15,000円(ユーザー数無制限) ビジネスプラン 500GB 35,000円(ユーザー数無制限) |
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ファイル共有 ・共有作業可否 |
可能 |
検索のスムーズさ | 全文検索対応 ORC非対応 |
ファイル復元 (バージョン管理) |
ファイル復元(1か月・3か月・6か月・12か月・無制限) バージョン管理対応 |
トラブル時のサポート | メールサポート(24時間365日) 電話サポート(10:00~18:00 土日を除く) |
セキュリティ対応 | 2段階認証対応 データ暗号化対応 |
セキュアSAMBAはChatworkストレージテクノロジーズ株式会社が提供している純国産のクラウドストレージです。名前の通り豊富なセキュリティ機能を持ちます。例えばグローバルIPアドレスによる制限や、フォルダやファイルごとのユーザーによるアクセスログの記録などが可能です。またほかのクラウドストレージとは異なり、同期型のサービスではないため、ローカルにデータをダウンロードすることなく、セキュアSAMBA上でファイルの閲覧や編集が行えます。
まとめ
7社のクラウドストレージについて比較しました。ビジネスでクラウドストレージを導入する場合、料金に加えて、保存容量やセキュリティ対応の内容についても慎重に検討しましょう。選択肢となるクラウドストレージが複数ある場合は、無料体験期間などを有効に活用して実際の使い勝手を確認することが、本契約をするかどうかの判断の材料となります。